ダイビングで「水深10mにつき1気圧」と教わるのはなぜか

 たまには技術から離れた話を書きます。

 

ダイビングのライセンスを取る時に「海水では水深10mで体が受ける圧力が1気圧上昇する」という風に習います。でもそれってちょっと都合良すぎない? 海水は比重が水よりも重いし、1気圧だってちょうど1,000hPaではないはず。

1気圧って何?

単位としての「気圧(標準気圧)」は「フランス付近の海抜ゼロメートルにおける平均的な気圧」を元に1,013.25hPaちょうどと定められているようです(理科年表より)。他方hPaはSI単位系メートル法などから構成されているので、1,000ぴったりにならないのは当然なんですね。天気図などで見る気圧が1,000前後を指しているのも偶然のようです。

じゃあ深さ10mの海水の気圧を計算しよう

水圧はP(Pa)=pghが「近似式」です。この時、pは要するに液体の比重(kg/m^3)になります。でも海水なので水より重く単純に1,000kg/m^3ではありません。海水の比重は1020 - 1035kg/m^3、だいたい1030と取りましょう。すると水深(h)10mでの1m^2あたりの海水の重さは10,300kg/m^2(N)となります。次に重力加速度gは9.80665m/s^2なので掛け合わせると約101,000Pa=1,010hPa。おお、標準大気圧(1,013.25 hPa )とほぼ重なりますね。偶然に偶然が重なって「10mでほぼ1気圧」となっているようです。

ちなみに

ちなみに、普通にダイブする場合、水の上に大気が載ってるので、体にかかる圧力は10m=2気圧、20m=3気圧となります。たった10mで体が受ける圧力が倍になるとは水って怖い……。スポーツとしてのダイビングでは50m以上潜ることはまずないので目安としては適当かな、となります。ちなみにこの誤差がなかなか少なくて、海面下6500mの水圧は……諸説あるらしいですが、10m=1気圧から大きく外してはいないようです。偶然って怖い。

 

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たしかに普通のダイバーにとっては「とにかく10mで1気圧なんだよ!」でいいような気がしてきました。なるほど、重力定数が10よりやや少ないってのと、海水が水よりやや重いってのが微妙にバランスを取ってるんだなあ。

 

もちろん淡水でダイブする場合は10m=1気圧より気持ち少なく見積もります。